はじめに:顎関節症と矯正治療、切っても切れない関係
「口を開けるとカクッと音がする」「顎が痛くて食事がしにくい」――こうした顎関節症の症状は、日常生活に大きな不便をもたらします。
一方で、歯並びやかみ合わせを整える矯正治療も「顎関節に影響があるのでは?」と不安に感じる方は少なくありません。
実際のところ、矯正治療は顎関節症を改善にも悪化にもつながる可能性があります。大切なのは「正しい診査診断」と「一人ひとりに合わせた治療計画」です。
今回は、矯正治療と顎関節症の関係を分かりやすく解説し、安心して治療を選択できるポイントをお伝えします。
1. 顎関節症の原因と矯正治療の関わり
顎関節症は単一の原因で起こるのではなく、複数の要素が関与します。代表的なものは以下の通りです。
- 歯並び・かみ合わせの不調和
- 食いしばりや歯ぎしりなどの習癖
- ストレスや生活習慣
- 外傷や姿勢の影響
このうち「かみ合わせの乱れ」は、矯正治療で直接改善できるポイントです。
たとえば、上下の噛み合わせがずれていると顎関節に偏った負担がかかり、痛みや違和感を引き起こすことがあります。矯正治療で噛み合わせを整えることで、顎関節症の症状が軽減するケースも少なくありません。
しかし一方で、誤った治療方針で歯を動かしてしまうと、かえって顎関節への負担が増え、症状を悪化させるリスクもあるのです。
2. 矯正治療で顎関節症が改善するケース
矯正治療が「顎関節症の改善」に寄与する代表的なケースをご紹介します。
正中のズレを改善
上下の歯の中心が揃わないと顎の動きに左右差が生じます。矯正で正中を合わせることで顎の安定性が向上します。
ディープバイト(過蓋咬合)の改善
噛み込みが深すぎる状態は顎関節への圧迫を強めます。咬合の高さを適正化することで関節への負担が減少します。
オープンバイト(開咬)の改善
前歯で噛めず奥歯だけで負担している場合、顎関節に過剰なストレスがかかります。前歯・奥歯のバランスを整えることで症状が和らぐことがあります。
こうした治療は「顎の動き」を考慮して行う必要があります。当院では、CADIAXによる下顎運動解析やCT・セファロ分析を駆使し、科学的に顎関節の状態を把握したうえで矯正治療を進めています。
3. 矯正治療で顎関節症が悪化するリスク
一方で、すべての矯正治療が顎関節に良い影響を与えるわけではありません。
無理な抜歯や過度な歯の移動
顎の動きを考慮せずに歯を動かすと、関節の位置が不安定になり症状が悪化することがあります。
治療ゴールの共有不足
患者さんの希望や生活背景を無視して治療を進めると、見た目は整っても噛みにくさや顎の痛みが残るケースも。
診断不足
歯並びだけを見て治療を始めると、実際の顎関節の動きや筋肉の状態を見落とし、思わぬトラブルにつながります。
顎関節症を持つ方の矯正治療では、「見た目の歯並び改善」だけにとどまらない診断と治療計画が欠かせません。
4. 当院が行う“科学的根拠に基づいた診断”と“ゴール共有”
当院では、顎関節症を持つ方に安心して矯正治療を受けていただくために、以下のプロセスを徹底しています。
多角的な診査診断
- セファロ・CTによる骨格分析
- CADIAXでの下顎運動解析
- 筋触診・BruxCheckerによる習癖の確認
患者さんとのゴール共有
- シミュレーション画像を用い、治療後の歯並びや横顔の変化を視覚的に共有
- 「痛みの改善」「見た目の美しさ」「噛みやすさ」など、患者さんの希望を反映
再現性の高い治療ステップ
- ワックスアップやセットアップ模型で最終形態を事前に確認
- 治療中も定期的にかみ合わせのチェックを行い、微調整
これらの取り組みにより、**「後悔のない矯正治療」**を実現し、顎関節症の改善にもつなげています。
5. 顎関節症に悩む方が矯正治療を選ぶときのチェックポイント
最後に、矯正治療を検討している顎関節症の方が意識すべきポイントをまとめます。
- 歯並びだけでなく「かみ合わせ」「顎の動き」を診断してくれるか
- 科学的根拠に基づいた検査機器(CT、CADIAXなど)があるか
- 治療ゴールを視覚的に説明してくれるか
- 顎関節症の治療経験があるか
これらを満たす医院であれば、矯正治療が「悪化リスク」ではなく「改善のチャンス」に変わります。
まとめ:矯正治療は顎関節症改善の“鍵”になる
矯正治療は、顎関節症を悪化させるリスクもあれば、改善につながる大きな可能性も秘めています。
その分かれ道は、「どれだけ正確な診断を行い、患者さんとゴールを共有できるか」にあります。
顎関節症の症状に悩みつつ矯正治療を検討している方は、まずは正確な診断から始めてみませんか?
アールクリニックの「顎関節症無料相談」へ
山口県宇部市の歯科・矯正歯科アールクリニックでは、顎関節症に悩む方へ無料相談を行っています。
「矯正治療を始めたいけど不安」「顎の痛みがあるけど大丈夫?」という方も、どうぞお気軽にご相談ください。
あなたの笑顔と健康のために、最適な道をご提案いたします。