はじめに:「顔貌診査」って聞いたことありますか?
かみ合わせ治療というと、歯並びや顎の位置を見て判断するイメージをお持ちかもしれません。でも実は、「顔つき」=顔貌も、とても重要な診査ポイントなんです。
アールクリニックでは、治療前に「顔貌診査」を行います。これは、あなたの顔全体の印象や骨格バランスから、かみ合わせの状態を客観的に読み取るためのステップ。
「笑った顔が非対称な気がする…」「正面から見ると顔がゆがんで見える…」
そんな違和感も、実は咬合や顎の位置に原因があるかもしれません。
本記事では、顔貌診査がどのように行われ、どんな情報が得られるのかを分かりやすくご紹介します。
1. 顔貌診査とは?どこを見るの?
顔貌診査とは、写真撮影を通して顔の正面・側面・斜めからの印象やバランスを分析すること。
具体的には以下のような写真を撮影し、診査していきます。
- 正貌(正面)写真:顔の左右対称性、顎のライン、口元のバランスを確認
- 側貌(横顔)写真:顎の突出・後退、口唇や鼻との位置関係をチェック
- 45度斜め写真:顔全体の立体的なバランスやスマイル時の印象を確認
- スマイル写真:笑顔時の歯の見え方や口角の左右差を診査
さらに、写真は「口唇閉鎖時」と「歯を見せた状態」の2パターンで撮影します。
このようにして、静止時と動的表情の両方から、顔貌と咬合の関係を明らかにしていきます。
2. 見た目の印象から「かみ合わせの問題」が分かる?
はい、実は顔の印象から、かみ合わせの問題を推測できるケースは少なくありません。
たとえば…
- 顎が後退して見える ➡ 下顎後退や骨格Ⅱ級の可能性
- 下顔面が長い ➡ 過蓋咬合やオープンバイトのリスク
- 口元が出ている ➡ 上顎前突や上下の前歯の突出傾向
- 笑ったとき歯ぐきが見えすぎる ➡ 垂直的な骨格バランスの異常
このように、顔貌診査では「見た目の違和感」がどこから来ているのかを、医学的に読み解くことが可能なのです。
3. 顔貌のバランスチェックに使う“黄金比”やスケール
顔貌診査では、「写真の倍率」や「評価スケール」も重要です。
- 1/4や1/3.5スケールで撮影することで、客観的に顔の大きさや輪郭を評価
- 歯を見せたときのバランスを重視し、スマイルラインや歯列の傾きを確認
- 口唇閉鎖時の筋緊張の有無から、顎の過緊張・筋バランスの偏りを評価
これらの診査を通して、「なぜこの表情になるのか」「なぜ左右で印象が違うのか」まで読み取れるのが、顔貌診査の特徴です。
4. 顔貌だけでなく、姿勢も診査します
咬合異常は「顎」だけでなく「身体のバランス」とも密接に関わっています。
そのため、アールクリニックでは「全身の姿勢」まで診査。
- 正面・側面・斜め45度からの立ち姿を撮影し、重心や傾きを確認
- 咬合と姿勢の関係性を可視化して、咬合治療の方向性を決定
「まっすぐ立っているつもりでも、写真では右に傾いていた…」なんてこともよくあります。
実際に、かみ合わせを整えたことで「肩こりが軽くなった」「頭痛が減った」という方も少なくありません。
5. 顔貌診査の結果はどのように使う?
顔貌診査で得られた情報は、他の診査(模型分析、X線診断、顎機能検査など)と統合して「総合診断」の材料になります。
たとえば…
- 顔貌写真+セファロ分析 ➡ 骨格分類(Class I, II, III)の診断
- 顔貌写真+CADIAX ➡ 顎関節運動との整合性を確認
- 顔貌写真+模型分析 ➡ 咬合平面やガイダンスのズレを評価
このように、見た目の違和感を「数値」と「データ」に変えることで、治療ゴールを明確に描けるようになります。
まとめ:「見た目の違和感」は、かみ合わせのサインかも
顔貌診査は、ただの見た目チェックではありません。
あなた自身が気づいていない「顔の違和感」「左右差」「顎の緊張」などを客観的に捉えることで、本当の原因を見つけ出すきっかけになります。
「最近、笑顔がぎこちない気がする」
「人に横顔を見られるのが苦手」
そんな方こそ、一度、山口県宇部市の歯科・矯正歯科アールクリニックの総合診断を受けてみませんか?
顔貌診査をはじめとする多角的な診査で、あなたの“顔と体”に合った咬合治療をご提案します。