1. 診査資料ってなんのためにあるの?
歯医者さんで治療を受けるとき、「レントゲンを撮りますね」「お口の中のお写真を撮らせてください」など、いろいろな検査があることに気づいたことはありませんか?
これらはすべて、「診査資料(しんさしりょう)」と呼ばれるものを集めるためのものです。
診査資料とは、あなたのお口やあごの状態を客観的に把握するために必要な情報のこと。これをもとに、正確な診断を行い、安心で納得のいく治療計画を立てることができます。
かみ合わせ治療では、見た目だけでなくあごの動き・筋肉の緊張・骨格のバランスなども関係するため、より詳しい資料が欠かせません。
2. どんな資料を集めるの?その内容を徹底解説!
診査資料には、大きく6つの種類があります。少し専門的に聞こえるかもしれませんが、あなたの治療を「ブレない軸」で支える大切な情報たちです。
① 医療面接とお顔・お口の写真
- 治療のきっかけや悩み(主訴)を丁寧にヒアリング
- 顔立ち、姿勢、口元のバランス、笑顔の状態などを写真で記録
② 模型診査(かみ合わせの分析)
- 歯型を取り、模型を作成
- その模型を専用の「咬合器(こうごうき)」に取り付け、かみ合わせの状態を正確に再現して確認
③ X線診査(レントゲン、CT)
- あごの骨格や歯の根の状態を確認
- 特に「セファロ分析」では顔や頭の骨格のバランスをチェックし、不正咬合の原因を探ります
④ 顎運動の検査(CADIAX)
- あごがどのように動くかを専用の機器で測定
- ズレや制限、左右差などを見つけ、あご関節の問題を把握します
⑤ 筋触診
- かみしめに関わる筋肉(こめかみやほほ)を触って、張りや痛みを確認
- 無意識の食いしばりなども見抜けます
⑥ BruxChecker(歯ぎしりのチェック)
- 特殊なシートを使い、寝ている間の「こすり跡」から、歯ぎしりやくいしばりの癖を可視化します
3. 「下顎位」や「咬合器」ってなに?難しい言葉もやさしく紹介
かみ合わせ治療においてよく出てくる言葉に、「下顎位(かがくい)」や「咬合器(こうごうき)」があります。
下顎位とは?
下あごの位置のこと。
「楽に閉じた時の位置」「噛みしめた位置」「前に出したときの位置」など、いくつかの基準があります。
当院では、これらをきちんと採得(測定)し、咬合器上で再現できるようにします。
咬合器って何?
歯型をセットして、実際のかみ合わせやあごの動きを再現できる機器です。
「ミニチュアのあご」と思っていただくと分かりやすいかもしれません。これによって、実際にお口の中を触らずに問題点を分析できます。
4. なぜここまで調べるの?治療の“的確さ”と“安全”のために
「そんなにたくさん検査する必要あるの?」と思われるかもしれません。ですが、かみ合わせ治療では見えない原因が隠れていることも多いのです。
たとえば、
- 歯の痛みだと思っていたら、実はあごのズレが原因だった
- 見た目の問題だと思っていたら、奥歯の高さに問題があった
- 歯ぎしりによる過度な摩耗が、全体のかみ合わせを崩していた
こうした原因を見逃さないためにも、多方面からの資料収集と総合診断が大切です。
私たちは「経験と勘」ではなく、「科学的根拠にもとづいた診断」で治療を進めていきます。
5. 私たちが大切にしている「総合診断」という考え方
かみ合わせ治療は、単なる歯の並びを整えることではありません。
全身の健康や生活の質にも関わる、「咀嚼器官(そしゃくきかん)」全体の再構築です。
だからこそ、私たちは**「総合診断」**にもっとも力を入れています。
患者様の顔立ち・筋肉・骨格・生活習慣・症状の記録・各種データをひとつずつ丁寧に組み合わせ、
「なぜ不調が起きたのか」
「どこを整えることで改善できるのか」
を多角的に判断します。
治療開始前のこの一手間こそが、「後悔しないかみ合わせ治療」への第一歩になるのです。
6. まとめ:あなたの未来の笑顔のために、まず“診査”から
診査資料は、ただの検査データではありません。
それは、あなたの理想的なかみ合わせと健やかな毎日を築くための**“地図”**なのです。
山口県宇部市の歯科・矯正歯科アールクリニックは「何となく治す」のではなく、「しっかり調べて、根拠をもって治す」ことを大切にしています。
かみ合わせに不安がある方は、ぜひ一度「診査資料を集めてみる」ことから始めてみませんか?
それはきっと、“未来のあなたの笑顔”につながる一歩になるはずです。