「最近、なんだかイライラしやすい…」
「ちょっとしたことで怒ってしまう…」
そんな“自分でも理由がわからない不調”に悩まされていませんか?
気分の浮き沈みや情緒不安定さは、ストレスやホルモンバランスの乱れなどが原因と思われがちですが、実は**「かむ力」=“咬合力”が深く関係している**場合があるんです。
今回は、イライラや集中力の低下といった**「心の不調」と「かみ合わせ」や「かむ力」との意外な関係**に注目し、歯科医の視点からわかりやすくお話ししていきます。
1. 「かむ」って、心にも影響するの?
私たちは、無意識のうちに食事以外でも頻繁に**「歯をかみしめて」**います。たとえば…
- 緊張したとき
- 考えごとをしているとき
- パソコンやスマホに集中しているとき
こうした場面でグッと奥歯に力を入れるクセがある方は要注意です。
かみしめには交感神経を刺激する作用があります。つまり、心と体を“戦闘モード”にする働きがあるのです。これが長時間続くと、自律神経のバランスが乱れ、イライラ・不眠・肩こり・頭痛などの不調が現れることに。
また、咬筋(こうきん)などの「かむための筋肉」が常に緊張していると、脳にもその緊張が伝わり、気持ちが落ち着かなくなってしまうのです。
2. 咬合力が強すぎると起きる“心のストレス”
**かむ力(咬合力)**は、一般的な成人で50〜70kg程度あるといわれています。しかし、必要以上に強いかみしめをしている方では、100kgを超える力が加わることも。
このような過剰な咬合力は、以下のような影響を及ぼします。
- 顎関節や歯にかかるストレスが強くなる
- 歯が摩耗したり、知覚過敏になりやすくなる
- 頭痛・肩こり・耳鳴り・めまいなどの慢性的な症状
- そして、自律神経の乱れによる情緒不安定
「最近なんだか気分が落ち込みやすい」「ストレスに弱くなった」と感じている方こそ、一度“かみ合わせ”を見直してみることをおすすめします。
3. 「正しいかみ合わせ」がメンタルバランスを整える
では、「かむ力」をコントロールするにはどうすればいいのでしょうか?
ポイントは、適切な下顎位とバランスの取れたかみ合わせにあります。
これまでの回でもたびたび登場してきた**「下顎位(かがくい)」は、あごの正しい位置のこと。**
この位置がずれてしまうと、かむ力の方向やかかる負荷が不均衡になり、無意識のうちに“過剰な力”が発揮されるクセがついてしまいます。
歯並びやあごのズレが整い、安定したかみ合わせが実現すると、自然と力の使い方も適切になり、筋肉や神経の緊張もゆるみやすくなります。
実際、咬合治療後に「イライラしにくくなった」「朝の目覚めが良くなった」という声も多くいただいています。
4. 「食いしばり女子」にこそ知ってほしい
最近では、20〜40代の女性の間で「無意識の食いしばり」が急増中。
これは、仕事や家事、育児といった日常のストレスを背景に、無意識で「かむ」ことで自分を守っているからとも言われています。
でも、その“守り”が逆に、心と体に負担をかけてしまっているのだとしたら…。
今こそ、**自分の「かむクセ」や「かみ合わせの状態」**に目を向けてみませんか?
5. 歯科でできる「かむ力」のコントロール
当院では、以下のようなステップで**「かむ力の過剰」を見極め、改善へと導きます。**
- 噛み合わせ・下顎位の診査
- 筋肉や関節の緊張状態のチェック
- 食いしばりの程度の確認
- 必要に応じて、咬合調整・マウスピース治療・矯正治療の提案
さらに、「かむ力のバランス」に関わる姿勢や呼吸、生活習慣へのアドバイスも行います。
6. イライラの正体が「かむ力」だったなんて!
「まさか歯の問題が、自分の心の不調に関係していたなんて…」
初めてご相談に来られる方の多くが、驚きながらもホッとされた表情をされます。
もしあなたが「なんとなく毎日モヤモヤしている」「感情の波が激しくなった」と感じているなら、それは“こころ”の問題だけではないかもしれません。
“かむ力”を整えることで、もっと穏やかに、もっと軽やかに毎日を過ごせるようになります。
7. まとめ|“こころの不調”に、かみ合わせという視点を
私たちのこころと体は、思っている以上に“つながって”います。
歯やあご、かむ力の問題は、見過ごされやすいけれど、実は不調の根本原因になっていることも多いのです。
「気持ちの余裕がなくなってきたな…」
「原因不明の不調が続いている…」
そんなときは、ぜひ歯科でのチェックを受けてみてください。
山口県宇部市の歯科・矯正歯科アールクリニックでは、“かみ合わせと心のつながり”にも丁寧に向き合っています。
あなたらしい笑顔と、穏やかな毎日を取り戻すために、私たちがお手伝いします。