こんにちは、山口県宇部市の歯科・矯正歯科アールクリニックの歯科医師・院長の折田です。今日は、美しい笑顔をプロデュースするための「機能と審美の両立」について語らせていただきます。
矯正医が患者さんと矯正治療の必要性について話し合う際に、主に治療すべき噛み合わせの不調和に対して焦点を当てる必要があります。それに対して、患者さんやそのご両親の立場からすると、まず見た目がよくなることを望む傾向にあります。しかし、もし私たちのゴールが単に6本の前歯の外観をよくするということだけにあるとすれば、やはり治療は簡単なものとして終了できるでしょう。これは単に審美目的だけにすぎません。
噛み合わせと審美を満足する素晴らしい結果を導くことは、実際にはとても難しいことです。しかし患者さんをうなずかせるためには、それをゴールとすることに矯正歯科医は最善の努力を払わなければなりません。噛み合わせのみを治療することも、審美のみ治療することも、単に患者さんの半分について治療しているに過ぎません。ここで私が強調しておきたいことは、これまで何十年にわたり、噛み合わせを中心とした矯正治療が行われてきたように、今後は外見についても同じ努力を払い、考えていくとすれば、機能的にも審美的にも高いレベルでの矯正治療を、患者さんに対して提供していくことが可能になるということであります。
機能および審美の両方を達成させるためにDr.David Sarverは、外見の分類と審美分析に必要なモデルを開発しました。その外見の分類および審美についての分析は、マクロ、ミニ、ミクロの審美分析という3つのコンポーネントから構成されています。従来より求められてきた機能的ゴールはそのままに、顎顔面というエリアにまで拡大して評価を加えます。
このモデルは各患者さんに必要とされる審美的な要求について、系統的に評価する枠組みとなります。そして、これが診断模型やセファロの計測値中心の従来型アプローチからの第一歩となり、その代わりに患者さんの安静時と、さらに動的なスマイルの両面について三次元的に顔貌を分析することに焦点を当てています。強調される点としては、これまでのように長さや角度を標準値と比べていくということにそれほど重きを置くものではなく、むしろ顔面をプロポーションという点から見ているということであります。
アールクリニックでは、「きれいに歯を並べる」はもちろんのこと、デジタルカメラなどを用いて、顔全体、口元、歯並び、噛み合わせを撮影して総合的に評価し、全体の調和を図りながら理想的な見た目をデザインしていく包括的審美修復の考え方「デジタルスマイルデザイン」を重視した治療を行ってまいります。