こんにちは、山口県宇部市の歯科・矯正歯科アールクリニックの歯科医師・院長の折田です。今日は、矯正治療を受ける前に確認したいポイントについて語らせていただきます。
トラブルが起こらない矯正治療を受けるためには、患者さん自身がしっかりとした知識をもつことが大切です。治療を受ける医院選びの際、信頼できる矯正歯科を見極めるための受診時の目安を紹介します。
1. 頭部X線規格写真(セファログラム)検査をしているか?
セファログラムは、上下のあごの大きさやそのズレ、あごや唇の形態、前歯の傾斜、口もとのバランスなどの状態を正確に知るために不可欠な資料なのです。
2. 精密検査を実施し、それを分析・診断した上で治療をしているか?
精密検査は、治療計画を立てる上で必須です。精密検査がパノラマエックス線写真撮影や口腔内検査程度では不十分です。
3. 治療計画、治療費用について詳細に説明しているか?
検査結果を詳細に分析した上で診断を行い、治療計画が立案されます。そしてわかりやすい治療のゴールやそのプロセス提示のもと、治療のメリット・デメリット、抜歯・非抜歯についての説明を受けることになります。治療費についても同様で、治療費の詳細(および矯正治療に含まれる費用と含まれない費用の説明)、支払い方法(一括・分割)、装置が壊れたときの対応、転医あるいは中止する場合の清算についても詳しく説明がなされます。
4. 常勤の矯正歯科医がいるか?
矯正歯科医が非常勤だと、突発的なトラブルに対応してもらいにくいものです。常勤の矯正医がいることは、次のようなメリットにつながります。
・治療において画像診断ができる撮影機器などの環境・設備が整っている
・矯正装置が壊れたなど、器具に不具合があっても、すぐに対応できる
・同じ担当医による一貫治療が行える
5. 専門知識がある歯科衛生士、スタッフがいるか?
歯磨き指導ひとつをとっても、一般の歯科治療とは違うため、矯正歯科への豊富な経験と知識があるスタッフがいることは、次のようなメリットにつながります。
・矯正歯科医の指導のもとに、患者さんへの様々な対応が可能となる
・治療中の口腔衛生指導が行える
・治療中の食事指導が行える
きちんとした矯正歯科医なら、治療開始時点で、ゴールまでの設計図が決まっているものです。治療計画を詳しく説明し、患者さんの不安に丁寧に答えてくれる歯科医師を選ぶことが第一かと思います。選ぶポイントが難しければ、まずは初診時にその歯科医師が手掛けた症例写真を見せてくれるように頼むのもいいでしょう。歯科医師の力量や経験は感じ取れると思います。なんでも尋ねられる関係を築くことも大切ですね。「抜かない」「短い期間でできる」などと、利点ばかり強調する歯科医師はトラブルを起こす可能性が高いので、慎重によく考えましょう。