はじめに:矯正だけでは治せない「骨格性のかみ合わせ」がある
矯正治療と一口に言っても、その原因はさまざまです。
歯の位置が少し乱れているだけの「歯性不正咬合」であれば、ワイヤーやマウスピースで整えることができます。
しかし、上下の顎の骨格そのものにズレがある「骨格性不正咬合」では、歯の移動だけでは限界があります。
このようなケースでは、外科手術(顎矯正手術)を併用した矯正が必要になる場合があります。
アールクリニックでは外科手術自体は行っていませんが、その「必要性を正確に見極めるための診査診断」を非常に重視しています。
1.どんなときに外科手術が必要になるのか
歯並びのズレだけではなく、顎の骨格自体に大きな不調和がある場合、外科手術が必要となることがあります。代表的な症例は次のとおりです。
- 骨格性下顎前突(受け口):下顎が大きく前に出ている
- 骨格性上顎前突(出っ歯):上顎が過度に前方に位置している
- 開咬(オープンバイト):奥歯で噛んでも前歯が閉じない
- 下顎後退症(小顎):下顎が後方に下がって見える
- 顔面非対称:左右の顎の長さや高さが異なる
このような場合、歯だけを動かしても骨格のズレを補正することはできません。
そのため、まず「骨格性か歯性か」を見極める正確な診断が不可欠です。
2.外科手術が必要かどうかは“診断力”で決まる
外科的矯正の要否を判断するには、見た目や写真だけでは不十分です。
アールクリニックでは、以下のような精密診査を行い、「矯正単独で治せるかどうか」を科学的に判断しています。
顔貌・側貌写真撮影
顎の位置、口元の突出、左右差を客観的に確認。
セファロ(側面レントゲン)分析
骨格の前後・垂直的なバランスを数値で評価。
CT撮影(3Dデータ)
顎骨の厚みや顎関節の位置関係、非対称の有無を立体的に分析。
模型分析・咬合器マウント
実際の噛み合わせを咬合器上で再現し、顎運動を再評価。
これらを総合的に判断することで、「矯正単独で十分対応できるのか」「手術を併用しないと安定した結果が得られないのか」を見極めます。
3.外科矯正が必要と判断された場合の対応
当院では外科的矯正手術そのものは行っていません。
しかし、必要性があると判断した場合には、専門機関への紹介を行います。
アールクリニックの役割は、「正確な診断をもとに、患者さんにとって最も適切な治療の方向性を提示すること」です。
誤った判断のまま矯正を始めてしまうと、歯を動かしても骨格のズレが残り、結果的に咬み合わせや顔貌が不自然になることがあります。
外科的治療が必要なケースを見逃さない――
それが、私たちが“診断の精度”にこだわる理由です。
4.ボーダーライン症例 ― 手術か?矯正単独か?
実際には、「どちらでも可能」という“ボーダーライン症例”も存在します。
たとえば、
- 顎のズレは軽度だが、口元の突出を改善したい場合
- 咬み合わせの機能は問題ないが、顔貌バランスをより整えたい場合
このような場合は、矯正単独でも大きな改善が期待できることもあります。
ただし、「理想の横顔や咬合の安定性をどこまで求めるか」によって治療方針は変わります。
アールクリニックでは、患者さまの希望と客観的データをもとに、「外科を併用すべきか」「矯正単独で進めるべきか」を一緒に検討します。
5.外科手術を伴う治療の概要を知っておく
外科矯正を行う場合、一般的には次のような流れになります。
- 術前矯正(約1〜1年半):手術の準備として歯を正しい位置へ移動
- 顎矯正手術(入院 約1〜2週間):顎の骨を切り、前後・上下・左右に再配置
- 術後矯正(約6か月〜1年):噛み合わせを微調整し、安定化
このように、手術を伴う治療は長期的な計画と専門的な連携体制が必要です。
そのため、当院では必要に応じて信頼できる医療機関をご紹介し、診断情報を共有したうえで、治療を安全に進められるようサポートしています。
6.手術をしない矯正でも改善できるケースも多い
「手術が必要かもしれない」と聞くと、不安を感じる方も多いでしょう。
しかし実際には、矯正単独で十分に美しく・機能的に整えられるケースも多く存在します。
たとえば、軽度の受け口・出っ歯・開咬などであれば、抜歯矯正や骨格補正的なメカニクスを駆使することで、外科手術を行わずにバランスを整えられる場合もあります。
重要なのは、「どの程度の骨格のズレがあるか」を初診の段階で正しく把握することです。
まとめ ― 「外科矯正が必要か」を判断できる医院を選ぶこと
外科矯正が必要かどうかを見極めるのは、矯正治療の中でも最も難しい判断のひとつです。
アールクリニックでは、CT・セファロ・3Dシミュレーション・咬合分析などを駆使して、「歯」だけでなく「骨格」まで正確に評価します。
外科手術が必要な場合は、適切な医療機関をご紹介し、矯正単独で可能な場合は、その最適なプランを提案します。
矯正治療を始める前に、
「私のかみ合わせは矯正だけで治せるのか?」
「手術が必要なレベルなのか?」
――そんな不安がある方こそ、まずは診断の精度にこだわる医院で相談してください。
山口県宇部市の歯科・矯正歯科アールクリニックでは、外科治療を行わない立場からこそ、“中立的な視点で最適な治療方針”を提案しています。
矯正の第一歩は、正しい診断からです。



