「朝起きたらなんだかあごが疲れてる…」
「気づいたら歯をグッと噛みしめてる…」
そんな経験、ありませんか?
実は今、20代〜40代の女性を中心に、“無意識の食いしばり”をしている方がとても増えています。
見た目ではわからないけれど、日々のちょっとした不調の原因になっているかもしれません。
今回はそんな「食いしばり女子」にフォーカスし、その原因や体への影響、そして歯科でのアプローチまで、わかりやすくお話ししていきます。
1. そもそも「食いしばり」ってなに?
食いしばりとは、意識せずに歯と歯を強く噛み合わせてしまうクセのこと。
本来、私たちの上下の歯はリラックスしている時、わずかに離れているのが自然な状態です。
ところが、無意識にギューッと噛み締めていると、顎や筋肉に余計な力がかかり、知らず知らずのうちに不調が出てしまいます。
2. 「私もそうかも…?」チェックしてみましょう!
次のような症状がある方は、食いしばりをしている可能性があります。
- 朝起きた時に、顎がだるい・痛い
- 歯がすり減ってきた、ヒビが入った
- 頭痛や肩こりが慢性的にある
- 歯の根元が削れてしみる
- 頬の内側に白いスジがある(咬んでいる跡)
- 前歯の先端が平らになってきた
- マウスピースがすぐに傷つく
一つでも当てはまれば、無意識の食いしばりが関係しているかもしれません。
3. 食いしばりの原因はストレスだけじゃない?
「ストレスが原因」とよく言われますが、実はそれだけではありません。
最近では、スマホやPC作業の増加により、姿勢が悪くなり、首や肩、あごのバランスが崩れていることも一因とされています。
また、かみ合わせのズレも、食いしばりの大きな原因のひとつ。
歯がうまく噛み合っていないと、筋肉のバランスが崩れ、無意識に力が入るクセがつきやすくなるのです。
4. 食いしばりが引き起こす“顔の変化”
無意識の食いしばりを続けていると、見た目にも変化が出てくることがあります。
- エラが張ってきた
- フェイスラインがゴツゴツしてきた
- 口角が下がって不機嫌そうな印象に
- 口元が疲れたように見える
これらは、あごの筋肉が常に緊張していることで起きる変化です。
一見すると「老けた?」と思われてしまうことも…。
5. 食いしばりで歯やクラウンが割れることも…
食いしばりによるトラブルは、見た目だけにとどまりません。
強い力が長期間かかることで、歯そのものや治療した歯がダメージを受けることもあるのです。
- 入れたばかりのクラウン(被せ物)が割れてしまった
- 仮歯(テンポラリークラウン)がすぐ割れる
- 奥歯にヒビが入ってしみる、欠けてしまう
こうした経験がある方は、かみ合わせや食いしばりの力に問題がある可能性があります。
せっかく治療した歯を守るためにも、力のコントロールはとても重要なんです。
被せ物が何度も壊れるのは、治療の失敗ではなく、“かみ合わせのバランスが崩れている”という体からのサインかもしれません。
6. 歯科でできる“食いしばり”の対策
アールクリニックでは、食いしばりに悩む方に対して、以下のような対応をしています。
(1)かみ合わせのチェック
歯のすり減りや顎の動き、顔貌の左右差などから、かみ合わせのバランスを細かく診査します。
**本来あるべき下顎の位置(下顎位)**を確認し、筋肉や関節のバランスを整える方向性を決めます。
(2)スプリント(マウスピース)療法
就寝中に装着することで、歯や顎にかかる力を緩和し、筋肉の緊張をやわらげます。
また、「自分が食いしばっている」という自覚を持つことも大切です。
(3)必要に応じて矯正治療へ
かみ合わせに大きなズレがある場合、歯並びや噛み合わせを整える矯正治療を提案することもあります。
見た目と機能、両方を整えることで、長期的な安定が得られます。
(4)ボツリヌス療法(エラ張り対策)
筋肉の過剰な緊張を緩めることで、フェイスラインの改善や疲労軽減にもつながります。
(5)詰め物・被せ物の再評価と調整
過去に治療した**クラウン(被せ物)やインレー(詰め物)**が、現在のかみ合わせに合っていない場合、咬合バランスを乱し、食いしばりを助長する原因になることがあります。
特に以下のようなケースは要注意です:
- 10年以上前に治療した古い補綴物がある
- 他院で入れた被せ物の高さや角度が合っていない
- 被せ物が破折しやすい、何度も壊れている
- 咬合の違和感がずっと続いている
こうした場合は、**再調整や補綴物のやり替え(再修復)**によって、力のかかり方を見直し、顎や筋肉への負担を減らすことが可能です。
「詰め物が悪いから」ではなく、「かみ合わせの再設計が必要」という視点で見直すことが大切です。
7. 自分では気づきにくいからこそ、相談を
「私、そんなに力入れてるつもりないけど…」
そう思っている方こそ、実は強く食いしばっていることが多いのです。
食いしばりは、歯やあごにダメージを与えるだけでなく、顔の印象まで変えてしまうこともあります。
でも、正しく対処すれば、筋肉も歯も、そしてあなたの笑顔も守ることができます。
8. おわりに
なんとなく続く頭痛や肩こり、フェイスラインの変化。
「歳のせいかな」と思っていたら、実は“かみ合わせ”や“食いしばり”が原因だったということは少なくありません。
山口県宇部市の歯科・矯正歯科アールクリニックでは、かみ合わせや食いしばりに関する診査・診断を丁寧に行い、お一人おひとりに合った治療をご提案しています。
治療してもすぐ割れてしまう被せ物に悩んでいる方も、ぜひ一度ご相談くださいね。