「かみ合わせ」と聞いて、皆さんはどんなことを思い浮かべますか?
「上下の歯がしっかり合っているかどうか」「食べ物を噛めるかどうか」といった印象を持たれる方が多いかもしれません。もちろんそれも正解です。でも、実は“本当に大切なこと”は、もっと深いところにあるのです。
それが 「下顎位(かがくい)」 の問題です。
1. 下顎の位置がズレていると、どうなるの?
下顎位とは、下の顎が頭蓋骨に対してどの位置にあるかを示すもの。簡単に言うと「下顎が正しく収まっているかどうか」です。
この位置がズレてしまうと、実にさまざまな影響が出てきます。
- 左右の歯で噛む力が違ってくる
- 顎の関節がうまく動かなくなる
- 噛み締めやすくなり、肩こりや頭痛の原因に
- お顔のゆがみや、フェイスラインの左右差
- 知らず知らずのうちに、奥歯がすり減ってしまう
実際に、「肩こりがつらくて整骨院に通っていたけど、歯医者でかみ合わせを調整したら改善した」という方も少なくありません。
2. 「歯が当たっていればOK」ではない
かみ合わせが悪いと一言で言っても、その理由は人それぞれです。ただ「上下の歯がぶつかっているから大丈夫」と自己判断してしまうと、大きな落とし穴にハマることも…。
たとえば、かみ合わせがズレているのに、そのズレた状態のまま歯を削ってしまうと――
**「ズレたまま噛みやすくなってしまう」**のです。
これはとても危険です。顎の関節や筋肉に無理をかけることになり、時間が経つほど症状は複雑化していきます。
だからこそ、**「下顎が正しい位置にあるかどうか」**を見極めたうえで治療を進めることが大切なんです。
3. かみ合わせを整えるには、まず“正しい下顎位”の見極めから
「正しいかみ合わせ」をつくるために最初に必要なのは、“正しい下顎の位置”を見つけることです。
この診断には専門的な知識と経験が必要です。実際、全ての歯科医院がこの下顎位を評価して治療に取り入れているわけではありません。
中には「歯だけ見て噛み合わせを調整する」治療が主流になっていることもあります。
しかし本当に大切なのは、顎の動き・筋肉のバランス・頭の骨との関係をきちんと把握し、全体を整えること。その上で、歯の位置を動かすか、被せ物で高さや形を調整することで、かみ合わせを理想の状態へと導くのです。
4. 治療法は矯正だけじゃない
「かみ合わせを直すには矯正治療しかない」と思っていませんか?
確かに、歯の位置がズレている場合は、矯正治療が効果的です。
でも、歯の形や高さの調整が必要なケースでは、**補綴治療(詰め物や被せ物による修復)**によって対応できることもあります。
たとえば…
- すり減って低くなった奥歯を、理想的な高さに戻す
- 古い被せ物が合っていない場合、新しい補綴物でバランスを整える
- 歯のない部分にインプラントやブリッジを入れて咬合を安定させる
こういった補綴的アプローチによって、下顎の位置を改善できることもあるのです。
まとめ:あなたに合った「かみ合わせ」の整え方を
かみ合わせの問題は、見た目だけでなく、全身のバランスや健康にも影響します。
そして、その根底にあるのが「下顎の位置」。
これを無視した治療では、たとえ歯並びがきれいになっても、かみ合わせの違和感が残ったり、再び不調が現れたりするリスクも…。
山口県宇部市の歯科・矯正歯科アールクリニックでは、正確な診断と、それぞれの患者さまに合わせた治療法のご提案を大切にしています。矯正治療だけでなく、補綴治療なども含めて、一人ひとりにとってベストな方法を一緒に考えていきます。
「なんとなく噛みにくい」「顔のバランスが気になる」「歯ぎしりや肩こりが続いている」
――そんなお悩みがある方は、ぜひ一度ご相談ください。
あなたのかみ合わせ、本当はもっと良くできるかもしれません。